手順書の効力

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もともと上司が行っていた業務を引き継ぐことになりました。しかし、そのまま引き継いでしまうと給料は変わらないのに自分の仕事量が増えてしまいます。どうしたらいいでしょうか?

まずは業務の手順書を書いてみる

手順書本来の機能は、その通りにこなせば誰でも業務をこなせるようになることです。業務の完遂という面のみでみるとその通りでしょう。しかし、今回のように引き継いだり新たに仕事を受ける場合はもう一つ考えるべきことがあると感じています。

それは、手順書を読んで実践した人の満足感を高めることです。

手順書に対する満足感とは?

読む人が手順書に要求する期待値のレベルを以下のように考えます。

  1. 具体的な手順が書かれ、すんなり業務できること
  2. 手順をまとまりとして把握し、何をしているのか理解できること
  3. その業務一つ一つがどう他に影響を与えるのか分かること
  4. この業務が意味のある面白いことだと理解すること

巷に溢れるほとんどの手順書は1のレベルで止まっています。これが嫌々仕事を引き受ける根本原因にあるのではないでしょうか? 2レベル以上でなければ、手順を読んでも業務をしても満足感がないことは想像に難くありません。

会社や上司から明示的に手順書に要求されるのは「滞りなく業務が終わらせる」ことのみであって、簡単にいえば業務をしている人が何と思ってもどうでも良いことです。しかし、これではその業務をやりたいという人は発生せずに放置、さらにはそのナレッジを活かせずに別の方法で同じ業務をやり直すようなことになりかねません。

そこで、手順書自体が面白い(有意義で興味が惹かれる)読み物として成り立ち、先ほどの4レベルまで満たす資料になっていることが重要になってきます。

実感したこと

私の職場には非常にありがたい「メンター制度」があります。一般的にはOJTとも呼ばれ、同じ職場の先輩社員がおぼつかない新入社員を支え、鍛えてくれる制度です。

そのメンターからはいつも「目的を考えなさい」と言われています。この言葉のおかげで、成長が促進されているとつくづく感じています。もし私にも部下ができたら、そのままパクらせていただく所存です(笑)。

この考え方を手順書に落とし込むとどうなるでしょうか?具体的な手順と共に、なぜそれを行うのかが最低限書かれることになります。そのおかげで満足感のレベル2まで行ける可能性が出てきました。さらには、それをやるとどう影響するのかという情報も加えられる場合もあります。

今まで、手順を人に説明するなら具体的で緻密なことが大切だと考えていました。しかし、実際にはある一定以上作り込んでも満足度は上がりません。

満足感のある手順書の書き方

ここまでの内容から、知っている情報を全て詰め込んだ方が良いのでは…という考えに行きつくかもしれませんが、その答えはNOです。人は「適度な粒度(これも先輩の口癖です)」で情報がまとまっていないと、理解しづらい生き物(物事の関係を元に体系化して学習していくため、関係が薄い・種類が異なる情報が入っていると混乱する?)ですので、情報を入れすぎるとパンクします。

一般的には3~7項目までは理解できますが、それ以上は難しいと感じています。よって、書くときのフォーマットは、

  1. 手順書の概要(業務の発生タイミング、業務自体の目的)
  2. 手順
  3. 詳細を知るための参考文献

を骨子として見出しを作り、手順の中でも大まかに3つに分けて説明していく構成を意識して書くのがおすすめです。

少なくとも、細かい手順をズラーっと書くのは勘弁して下さい…(笑) 終わりが見えず、実際の作業が少ないにも関わらずやる気がそがれることもあります。

「この記事がそうなってない?」…これは手順書ではなく、ほぼ日記なのでモーマンタイです^^;

まとめ

満足度の高い手順書を作ることができれば、その業務を上手いタイミングで簡単に引き継ぐことができるようになります。プログラミング等ですぐに自動化するのが難しいのであれば、手順書の効力を侮ってはいけません。

もし、この手順に沿って実施しただけでその人が同じ手順書を書けるようになっていれば、引継ぎによる情報漏れを抑えることができるのではないでしょうか。

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